原材料について

こんぶ土居では原材料や調味料を、

​下記のような基準で厳選しています。

食品製造業者が安易に化学調味料(表示上で「調味料(アミノ酸等)」)や酵母エキスなどを使うようになれば、原材料を厳しく選ぶ必要がなくなります。こうして作った食品は、本物の食品に比べて安い価格設定が可能ですから、添加物を使わずにひたすら良い食品づくりをしている製造者は価格競争に敗れます。こういう状況が食文化の破壊につながります。 それを阻止するためには、食品製造者は、時代に合った便利な本物を買いやすい価格で作ることが必要で、同時に消費者に正しい情報を伝えることも大切だと思います。
消費者はその本質をつかみ、表面的な価格や広告に惑わされないようにしなければと考えます。また、良いものがあれば自ら買い続けたり、他の人たちにもすすめたりして支持することが必要です。消費者とメーカーの信頼関係が本物を次代に伝えるポイントです。  

昆布

品種や採取場所によって、品質が大きく違います。真昆布が最高級品で、羅臼昆布、利尻昆布、日高(三石)昆布、長昆布と続きます。最上級の真昆布の中でも、白口浜、黒口浜、折浜と浜格差があり、白口浜の中でも川汲浜や尾札部浜で採れた昆布が、最高級品とされております。

注意すべきことは、各浜で、天然物、養殖物、促成物とがあり天然物の品質がすぐれているのは言うまでもありません。しかし、並浜の昆布や促成物も、食品としての安全性には差がなく、工夫して調理すれば、すばらしい食品になります。ただ、加工品として販売する場合、化学調味料(アミノ酸等)や酵母エキス等でうまみを加えられることが多いのが現状です。

醤油

基本的には、大豆、小麦、塩のみを原料とした天然醸造醤油以外は本物だとは言えません。みりん等を加えたものも見かけますが、これは各人が良い物を選び、必要な場合にのみ使えばよいのではないでしょうか。脱脂加工大豆(大豆油の搾りかす)ではなく丸大豆で、小麦も含め遺伝子組換えやポストハーベストのリスクのない国産原料が良いでしょう。大豆と小麦の配合割合や醸造期間の違いで、濃口や淡口の差が生まれますが、それぞれに適した用途があります。東海地方で伝統的に作られてきた「たまり」は、料理によっては素晴らしい効果を見せます。ただ、本来は大豆と塩のみで作るものですが、非常にまがいものが多い現状です。

みりん

古来よりの製法で作ったみりんは、あまり見かけなくなりましたが、探せばまだ残っております。本来は、もち米と、米麹と、米または酒かすを原料とする本格焼酎だけで作るものですが、本格焼酎のかわりに、甲類焼酎(醸造用アルコールをうすめたもの)を使ったり、糖類等を添加したものが、本みりんという名前で出廻っております。

「純米みりん」と謳われる製品も目にしますが、醸造用アルコールを含んでいる場合があります。みりん風調味料は、みりんとはまったく別のものです。

米酢

酢は、酒のアルコール分が発酵により酢酸に変化したものですから、考え方は基本的には酒と同じです。伝統的な酢づくりは静置発酵と呼ばれ、仕込み桶の上面のみで酢酸発酵が進みます。これに対し、好気性菌である酢酸菌を活発にするため、強制的に空気を吹き込んで短期間で醸造するものもありますが、時間をかけて醸すものの良さは出ないように思います。自然な甘さを加えるために甘酒が使用されることもあります。酒粕を使用したものも、その質がよければよいのですが、酒粕の品質もさまざまですので注意が必要です。増量のために醸造用アルコールを使用したものは本来の酢とはいえません。

かつお節

鰹節は、原料魚の品質や生産者の技術で品質は様々です。カビの力を利用し長期間かけて仕上げる「枯節」は高級品ですが、カビつけをしない「荒節」も、原料魚の品質と煮熟、焙乾の方法がよければ安価で良いものになるので、用途によって使い分けるのも良い方法です。

原料魚は、品質面でも漁業資源の保護の観点からも、日本近海の一本釣りが最高です。それに対して巻き網で漁獲された鰹は品質が落ちやすく、魚群を一気に取ってしまったり目的外の魚種や小さな魚も入ってしまう等、資源問題にも関係してきます。ただ、近海一本釣りの鰹は鮮魚用として消費されることが通常で、鰹節原料に使われることは非常に稀であるようです。

​砂糖

砂糖にはいろいろな種類があり、一概にどれが良いとは言えず、用途によって使い分けると良いと思います。蜜分を含むものには粗糖や黒糖等ありますが、一部の用途には料理の厚みが増し、臭み消しの効果など、素晴らしい特徴を発揮します。三温糖は色は茶色ですが、含蜜糖ではありません。江戸時代に研究開発された和三盆糖は、上品な味と香りで、和菓子や和風料理などには最高のものですが、数百年前に日本に渡来した在来種のさとうきびでつくられたものは非常に少ないです。

食塩

製造方法は大きく分けると
1. 物理的な方法で海水から水分を蒸発させ、結晶させたもの
2. イオン交換膜で電気的にろ過したもの
に分類されます。

1の中では太陽や風の力で結晶させ、作り手の顔が見えるものが最高ですが、輸入天日塩を海水で溶かし不純物を除いて再結晶させたものも比較的安価でよいと思います。2はミネラルバランスがどうしても偏ります。専売制時代の名残の、ほぼ塩化ナトリウム100%の塩は、やはり食品として少し不自然であるように思いますし、味覚的にも健康面でも良いものでは無いでしょう。

清酒

清酒は本来、米と米麹だけで作るものですが(純米酒)、醸造用アルコールが使用される場合もあり、本醸造と表示される酒もこれに含まれます。「米だけのお酒」等と謳われる製品は、麹をほとんど使用しない新製法で、純米酒とは別のものです。料理酒の中には、食塩や糖類等が原料として添加されたものがあり、注意が必要です。料理用には、純米酒の中でも、端麗なものより甘味やアミノ酸含有量の多いものが良い効果を見せるように思います。

水あめ

本来の水あめは、米や芋のでんぷん質を、麦芽に含まれる酵素を利用して糖化させるものです。ただ、一般的には、輸入のコーンスターチ等を原料に、酸や酵素剤によって急速かつ強力に糖化させた物が出回っております。伝統的な麦芽水あめは、ただ甘いだけではなく原料由来の特徴もあり、豊かな風味を感じます。原料はやはり国産のものが良いでしょう。還元水飴と表示されるものは、水あめを原料に水素を付加させて製造した糖アルコールで、水あめとは別のものです。

植物油

他の食品以上に科学的な処理がされることが多く特に注意が必要です。油選びの基本になるのは搾油の方法です。単純に絞る「圧搾法」は自然で良いのですが、ノルマルヘキサンを利用して油脂を溶かしだす「抽出法」の油は、やはり避けた方が良いかと思います。水素添加油を始めとする加工油脂は、トランス脂肪酸の含有の有無に関わらず、人為的に脂肪酸の組成を変えた油であり不自然です。油についても他の原料同様、加工度の低い自然に近いものが良いように思います。